【3月の誕生石】サンゴ(珊瑚)の魅力とは?種類や特徴・石言葉まで解説
3月の誕生石でもあるサンゴ(珊瑚)。色の好みもあるとは思いますが、特に赤サンゴは、ジュエリーだけではなく骨董品としても人気があります。
宝石としての魅力はどこにあるのでしょうか。今回は宝石サンゴの種類や特徴、石言葉まで解説していきます。
サンゴ(珊瑚)とは
宝石サンゴは、6本の触手があるサンゴ礁のサンゴとは違って、浅い海域から深い海域までのさまざまな水深に見られる生き物です。ソフトコーラルと同じく、8本の触手を持つサンゴの一種で、「八放サンゴ」というグループに分類されています。
中央に硬くて丈夫な骨軸を持っていて、古代から装飾品やアクセサリーとして使用されてきました。
特徴 | 詳細 |
属性 | コーラル |
カラー | 白、ピンク、橙、赤、黒など |
硬度 | 3.5~4 |
屈折率 | 1.486~1.658 |
比重 | 2.59~3 |
一般に市場で取引されている宝石は、ワシントン条約で規制されていない深海で生息しているサンゴを採取しています。
旅行などでサンゴを見かけることがあるかもしれません。
ですが海外防災法により、サンゴの持ち帰りは厳しく禁止されています。たとえ砂浜に打ち上げられた死んだサンゴであっても、原形を保っているものは、許可なく持ち帰ることはできません。
宝石サンゴの種類とは
ここでは、宝石サンゴの種類を表にまとめてみました。
日本語名称 | 生息地 | 特徴 |
血赤サンゴ | 高知県沖の深海 | 深い赤色、最高級とされるのは赤黒い色 |
地中海サンゴ | サルジニア島近海 | 成長が速く、小さめのサイズ |
桃色サンゴ | 日本近海 | 優しい色合い、ピンクからオレンジ、赤に近い色調 |
本ボケサンゴ | 採取量無し | ほのかなピンク色、加工で光沢が際立つ |
ピンク系サンゴ | 東シナ海、ハワイ沖 | 白い背景に赤い模様 |
白サンゴ | 東シナ海、日本近海 | 白い色合い、特に象牙色が希少 |
黒サンゴ | ハワイ | サンゴ礁を形成、ハワイのお土産 |
宝石サンゴの稀少性は年々増しています。
貴重な自然資源を未来に継承するため、「宝石珊瑚の森・育成プロジェクト」という増養殖事業がNPO法人宝石珊瑚保護育成協議会によって立ち上げられました。
サンゴ(珊瑚)の歴史
サンゴの歴史は古く、約2万年前の地中海地域では、装飾品や薬として用いられてきたとされています。日本にサンゴが持ち込まれた時期は不明ですが、7世紀から8世紀にかけての中国との交易を通じて伝来したと推測されています。
サンゴの鮮やかな赤色は血に例えられており、古代ローマでは出産や幸せな結婚の象徴として、また安産や魔除けのお守りとして重宝されました。
奈良時代には、聖武天皇や光明皇后が東大寺の大仏開眼会で用いたとされる冠の装飾にサンゴが使用されており、ビーズは正倉院に保管されています。
サンゴ(珊瑚)宝石の色は?
同じ赤でも濃い赤色から淡いピンク色に至るまで、さまざまな色合いが存在します。
特に価値が高いとされるのが「血赤珊瑚(チアカサンゴ)」と呼ばれるもので、その名の通り血のような深い赤黒色をしています。
宝石としての赤サンゴは、色の濃さによって価値が異なり、一般に色が濃いほど高価です。色が薄いものは価値が低くなる傾向にあります。
近年では「黒サンゴ」も注目されています。
サンゴ(珊瑚)の石言葉
サンゴの石言葉には、勇敢、聡明、長寿、幸福、安産、家長の威厳、確実な成長、帝王と言った意味が込められています。
サンゴは、仏教の教典に出てくる「七宝」のひとつでもあり、金や銀とともに価値を認められている宝石です。
サンゴ(珊瑚)の言い伝えとは?
古代ローマでは子どもの幸運と成長のために、ヨーロッパやインドではお守りとして、フランス王室では安産のシンボルとして珍重されていました。
また、中国では富と地位の象徴とされ、ギリシャ神話においては神話的な起源を持つとされています。
自由に枝を伸ばすサンゴ。のびのびと強く育ってほしいという意味を込めて、ヨーロッパでは母から子にサンゴを贈るそうです。
サンゴは、ネガティブな思考や感情を和らげ、心を豊かにしてくれる力があるとされています。
白サンゴは、生きる力や精神力が向上し、ピンクサンゴは、人間関係を円滑にするほか、創造力をかき立ててくれる効果があります。
長寿や子宝に恵まれる力があるとされるサンゴは、プレゼントとしてもおすすめです。
サンゴ(珊瑚)のお手入れ
宝石としてのサンゴは、ダイヤモンドとは違って生物由来でできているため、お手入れにはより注意が必要です。
普段のお手入れは、柔らかい布で拭きとるだけで構いません。
表面のざらつきや艶が失われて、色が白っぽく変わってしまった場合は、専用の研磨剤が含まれた磨き布を使用して磨くことで、美しさを取り戻せます。
中性洗剤で洗うことは避けてください。
最後に
サンゴは、深海から生まれ、古代から現代に至るまで、幸運や健康の象徴として愛され続けてきました。
血赤サンゴから桃色、白、黒サンゴまで、カラーも豊富です。勇敢や聡明、長寿などの石言葉を持ち、七宝のひとつとしても価値が認められています。
サンゴの宝石は、ただのアクセサリーではなく、生命の輝きと海の記憶を身にまとうこと。きっとあなたも海のように神秘的な魅力を得られるでしょう。