ジュエリー選びは正式名称ではないコマーシャルネームに要注意!
宝石を購入するときは「エメラルド」や「ダイヤモンド」といった名称で判断する人も多いのではないでしょうか。
宝石には正式名として認められていない「コマーシャルネーム」と呼ばれる名称が存在します。
思わず購入しそうな名称もあるため、素人には判断がつきにくいでしょう。そこで今回は宝石を購入する人に向けてコマーシャルネームの注意点について解説します。
コマーシャルネームとは?
学名や正式名称ではない宝石のことです。希少価値のある宝石名に似せている場合もあります。
通常、宝石の名前をつけるときは「色、輝き、種類」「産地や言語」「発見者や研究者の名前」「鉱物名」などから名称が決まります。日本では、社団法人日本ジュエリー協会と宝石鑑定団体協議会が、学術的に定義を定めています。
ジュエリー協会や団体協議会で認められていない宝石名は「コマーシャルネーム」と呼ばれ、世界中に数多く存在しているのです。
たとえば、無色透明が美しいホワイトトパーズ。外見がダイヤモンドに似ていることから「アフリカ・ダイヤモンド」として流通しています。
透明度が高いハーキマー水晶(クオーツ)も「ハーキマーダイヤモンド」と呼ばれています。
ダイヤモンドだと思って購入したら、トパーズや水晶だったということもありえるのです。
代表的なコマーシャルネーム
青色~青紫色が魅力的なブルーゾイサイト。もともとはアフリカのタンザニアで発見された宝石です。
ニューヨークのティファニー社が「タンザニアの夜」というコンセプトで「タンザナイト」と命名して販売したところ大人気となったそうです。タンザナイトはティファニー社の商品名でしたが2018年に正式な宝石名になりました。
他にルビーとついている宝石もたくさんあります。
・オーストラリア産ガーネット→オーストラリア・ルビー
・クロムパイロープガーネット→アリゾナルビー
・ロシア産トルマリン→シベリア・ルビー
・レッド・スピネル→スピネル・ルビー
・クロムパイロープガーネット→アリゾナルビー
ルビー以外にも……
アイオライト→ウォーター・サファイア
ブルートパーズ→ブラジル・サファイア
アベンチュリンクォーツ→インド・ヒスイ
などがあります。
コマーシャルネームをつける必要性とは?
知名度が低い宝石を、価値の高い宝石の名称と似せることで、購買意欲が高まるといったメリットがあります。
宝石を販売しやすくするためですので、つい購入してしまいそうな名称がたくさんあります。
代表的なものはイブニングエメラルドやレッドエメラルドです。
名称だけ聞くと「緑色のエメラルドの色違いなの?」と思うかもしれませんが、実はペリドットやレッドベリルといった宝石です。
インパクトがあり、おしゃれな名称であるほど、売れやすいと考えたのでしょうね。
コマーシャルネームは、覚えやすく記憶に残りやすい名称もあります。
購入するときに誤解を招きやすい点がデメリットといえるでしょう。
コマーシャルネームの見分け方
残念ながら流通している宝石すべてが、正式な宝石名で呼ばれているわけではありません。
コマーシャルネームの見分け方として以下の方法があります。
・プライスタグを見る
・インターネットで検索する
・ジュエリーショップに確認する
正式名称よりも、コマーシャルネームが一般化している場合は、プレイスタグに別名○○〇と記載されているケースもあります。
特定の宝石を探している場合は、「アラスカ・ダイヤモンド」や「アフリカ・ダイヤモンド」といった別名がついていないかなどジュエリーショップに確認しましょう。
鑑別書には「別名:○○○○と呼ばれています」と記載がされている場合もあります。
まとめ
宝石には正式名称ではないコマーシャルネームで販売されているケースもあります。
レッドエメラルドやイブニングエメラルドと聞くと「緑色以外のエメラルドは魅力的」と思うかもしれません。コマーシャルネームは商用目的のためにつけられているため、購入する側は誤認する可能性も高くなります。
魅力的な名称にひかれて間違えて購入しないように、ジュエリーショップに確認するなど対策してから購入することをおすすめします。